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2010年1月2日土曜日

チョムスキーの洞察:アメリカ帝国の欺瞞

TUP速報◎ 拷問より悪いことが起きている:目をそらすな


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オバマ政権に「チェンジ」を求めて投票した多くのアメリカ人は、戦争の正当性
を擁護するオバマのノーベル平和賞受賞の演説を聞きながら、暗澹としたことだ
ろう。反戦を謳った公約はどうなったのか。「Yes, we can !」に託された真の
民主国家への可能性は、結局はまた裏切られたのではないか。帝国主義国家の構
造と歴史を根底から分析し、「正義と自由」という大義名分の虚偽と欺瞞を暴露
してきたノーム・チョムスキーは、オバマ当選直後から新政権の方向性について
冷徹な分析と批判を提出してきた。彼の予想どおり、この 14日、最高裁はグア
ンタナモにおける拷問に対するラムズフェルドの責任を追及する「ラスール対ラ
ムズフェルド」の訴訟を却下した。アメリカが自国の歴史を忘れている限り何も
変わらない、とチョムスキーはこれまでに何度も訴えてきた。今年5月に掲載さ
れた「拷問メモ」に関する彼の洞察もまた、時間が経つにつれ、予言にも近い趣
を増してきている。
(前書と翻訳:宮前 ゆかり、協力:藤谷 英男/TUP)
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※凡例: 【訳注】、<著者脚注番号>
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拷問メモ
ノーム・チョムスキー
http://www.chomsky.info/articles/20090524.htm
2009年5月24日掲載


ホワイトハウスが公表した拷問メモは衝撃と憤慨と驚愕を呼んだ。衝撃と憤慨は
当然のことであり、チェイニーとラムズフェルドがイラクとアル=カーイダのつ
ながりを見付けようと躍起になっていたことを報告した上院軍事委員会の証言は
とりわけそうだ。二人は後に、事実にはおかまいなく、そのつながりをイラク侵
攻の口実にでっち上げた。陸軍の精神科軍医チャールズ・バーニー少佐は次のよ
うに証言している。「その期間のほとんど、私たちはアル=カーイダとイラクの
間のつながりを確立することに専念していました。このつながりを確立できない
ことへの苛立ちが深まるにつれ、...手っ取り早い結果を出せるかもしれない手
段への圧力がいっそう高まっていきました」。すなわち拷問である。マクラッ
チー新聞社【訳注:米国の大手新聞社】の報道によると、尋問問題に詳しい元上
級情報局員はさらに次のように付け加えた。「ブッシュ政権は、アル=カーイダ
と故サダム・フセインの独裁政権の間の協力関係の証拠を見付けるためにも収容
者に手荒い手段を用いるよう尋問官たちに厳しく圧力を掛けた... [チェイニー
とラムズフェルドは]アル=カーイダとイラクの協力関係の証拠を見つけるよう
に要求した... 『情報局および尋問官に対し、収容者、なかでも私たちが確保し
ていた一部の価値の高い人物から、その情報を得るために必要ないかなる手段で
も用いよとの不断の圧力があり、その成果を得られないことが続くと、チェイ
ニーやラムズフェルドの部下たちからもっと激しく責めるように求められた』」< 1>


これらは、ほとんど報じられることがなかった最も重要な暴露だった。


政権の不道徳さや欺瞞についてのこのような証言は確かに衝撃的に違いないが、
それにしても今回暴露された全体像に対する驚き方は意外だ。調査するまでもな
く、グアンタナモが拷問部屋だったことは想像に難くないのがその直接の理由の
一つだ。拷問の目的以外に、どうしてわざわざ囚人を法のおよばない所に、それ
も偶然にも、米国が武力でキューバに強制したある条約に違反して使用している
場所に送るだろうか。安全保障上の理由が言われているが、真に受けることは難
しい。秘密監獄や秘密引渡しも同様に推測され、その通りだった。


もっと大きな理由としては、拷問は全米の国土を平定した初期以来の日常的な慣
行であり、ジョージ・ワシントンが「生まれたての帝国」と呼んだ新生共和国が
帝国主義的事業を進めるにつれ、フィリピン、ハイチその他にまで広げられたも
のだからである。さらに、拷問は、他の列強の場合と同様に、米国の歴史を汚し
てきた侵略、恐怖政治、外国政府転覆、経済的扼殺などの幾多の犯罪の中では最
も軽微のものである。従って、ブッシュの悪行に対する最も雄弁で鋭い批判者の
一部でさえ、次のような反応を示したことは意外だ。例えば、我々はかつて「倫
理的理想の国」だったのであり、ブッシュ以前には「我われ国民が体現するあら
ゆる価値をこれほど見事に裏切った指導者はなかった(ポール・クルーグマ
ン)」といった言説である。ごく控えめに言っても、そのような一般の見方は相
当歪曲した歴史観を反映している。


我々の「大義名分」と「行為」の不一致は時おり正面から取り上げられてきた。
この作業に取り組んだ著名な学者の一人は、現実主義的国際関係論の創始者ハン
ス・モーゲンソーである。キャメロット【訳注:「神話的アメリカ民主主義」を
体現するケネディ大統領黄金時代】の昂揚の中で書かれた古典的研究において、
モーゲンソーは、米国には「超越的目的」があるとする標準的見解を展開した。
その目的とは、国内で、そして「米国が目的を擁護し推進すべき活動領域は全世
界に広がったのであるから」、あらゆる場所で、平和と自由を打ち立てることで
ある。しかし良心的な学者として、彼は歴史の実録はアメリカの「超越的目的」
と激しく対立することを認識していた。


しかし我々はこの矛盾に幻惑されてはならない、とモーゲンソーは忠告する。彼
の言葉によると「現実の悪用と現実そのものとを混同」してはならない。真の現
実とは、未だ達成されていない「国家目的」であり、それは「我々の心が映し出
す歴史の証拠」によって明かされる。実際に起こったことは「現実の悪用」に過
ぎない。現実の悪用を真の現実と混同することは、「同様の根拠で宗教の正当性
を否定する無神論の誤り」と似ている。うまい譬えだ。


拷問メモが開示されたことで、他の人々がこの問題を認識することになった。
ニューヨークタイムズ紙のコラムニスト、ロジャー・コーエンは、米国のことを
「大きいが、不完全な大国の一つに過ぎない」と結論づけた英国のジャーナリス
ト、ジェフリー・ホジソンの著書について書評を書いた。コーエンはホジソンの
判断を支える根拠があることを認めながら、基本的にはそれは誤りであるとして
いる。その理由は、「アメリカは理念として誕生したのであるから、その理念を
進展させていかなければならない」ということをホジソンが理解できていないか
らである。アメリカの理念は、「米国人の意識に深く」根づいている「霊的観
念」である「山の上にある町」としてアメリカが誕生したこと、そして西部開拓
に示される「アメリカ的な個人主義と進取の気性という独自の精神」によって表
される。ホジソンの誤りは「過去数十年におけるアメリカの理念の歪曲」、すな
わち近年の「現実の悪用」に固執していることである。


では「現実そのもの」、アメリカのごく初期の頃からの「理念」に目をむけてみ
よう。


「山の上にある町」という霊感あふれる語句は、1630年にジョン・ウィンスロッ
プが考え出した文句で、福音書から借用され、「神が定めた」新しい国家の輝か
しい未来を明らかにしている。その1年前に、彼のマサチューセッツ湾植民地領
はその「国章」を確立した。それには、口からひとつの巻物を繰り出している一
人のインディアンが描かれている。その巻物には「ここへ来て我らを助けたま
え」という言葉が見える。英国の植民者はそれゆえ善意ある人道主義者たちであ
り、異教徒の苦しい運命から救われたいという、みじめな原住民たちの嘆願に応
えたというのである。


この「国章」は誕生の時からの「アメリカの理念」を視覚的に表わすものであ
る。それは意識の深みから掘り起こし、あらゆる教室の壁に貼り出すべきであ
る。また実際は在任中にもっと身の毛もよだつような犯罪のいくつかを画策し、
忌まわしい遺産を残しながら、自分のことを「山の上にある輝かしい町」のリー
ダーであると満足げに説明した、残酷な殺人者そして拷問者ロナルド・レーガン
に対する金日成(キム・イルソン)的なすべての崇拝の背景に、必ず現れている
はずだ。


現在流行している言い回しを借りれば、この初期の「人道的介入」宣言はその後
のこうした介入と結局のところ非常によく似たもので、実行者たちはそのことを
自覚していた。初代の陸軍省長官ヘンリー・ノックス将軍は「北部諸州連合の最
も人口の多い部分にいるすべてのインディアンたちの完全なる根絶」が「原住民
のインディアンたちにとって、メキシコやペルーの征服者たちの行動よりももっ
と破壊的な」手段によって行われたと説明した。ジョン・クインシー・アダムズ
は、自分自身が経緯に重大な役割を果たしてからかなり時が経った後で「いつか
神がそれに対する審判を行うと信じているが、この国の忌まわしい数々の罪の中
でも…この残酷で不誠実な残忍性をもって我々が皆殺しにしている憐れな先住ア
メリカ人種」の運命を嘆き悲しんだ。残酷で不誠実な残忍性は「西部を勝ち取
る」まで続いた。神の審判の代わりに、この忌まわしい罪はアメリカの「理念」
の実現に対する賞賛のみをもたらしている。<2>


もちろん、これにはもっと都合のよいありきたりな表現があり、植民地入植者た
ちが「常に尊敬の念を抱いていた」にも関わらず先住民が「秋の枯葉」のように
消えたのは「神の摂理」の働きだったと思い巡らしたジョセフ・ストーリー最高
裁判事が、その一例である。<3>


西部の征服と移住は、確かに個人主義と事業的進取の気性を見せた。最も残虐な
帝国主義の形である移住者- 植民地入植者の事業は一般的にその傾向がある。尊
敬され影響力のあったヘンリー・カボット=ロッジ上院議員は1898年にその成果
を歓迎した。キューバでの干渉を要求しながら、ロッジは「19世紀のどのような
国民たちにも比類ない征服、植民地化、領土拡大」をしたわが国の記録を褒め称
え、キューバ人もまた我々に来てもらい助けてほしいと懇願しているのだから、
「今それを抑制すべきでない」と訴えた。<4> 彼らの懇願はかなえられた。米国
は軍隊を送り、キューバがスペインから解放されることを妨げ、事実上植民地に
変えてしまったのであり、それは1959年まで続いた。


「アメリカの理念」は、キューバの然るべき地位の回復のためほぼ同時に開始さ
れた驚くべき作戦行動によって、さらに明らかにされた。それは、反抗的な政府
の打倒を促すようにその国民に制裁を加えるという、明白に組織された目的を持
つ経済的戦争、侵略、「地上の恐怖(この任務を最高優先事項の一つとして担っ
たロバート・ケネディの伝記における歴史家アーサー・シュレジンジャーの言
葉)」をキューバにもたらすためのケネディ兄弟の献身、そして全世界のほぼ一
致した意見を公然と無視して、現在まで続いているその他の犯罪である。


キューバに民主主義をもたらす努力が失敗したので、「彼らのもとに来て助け
る」別の方法を取るべきだと主張する自信満々の批判者たちがいるはずだ。この
ような批判者たちは、どうして目的が民主主義をもたらすことだったことを知っ
ているのだろうか。証拠はある。我が指導者たちがそう主張したということだ。
一方で反証もある。機密解除された内部記録だ。だがそれは単なる「歴史の誤
用」として簡単に忘れ去ることができる。


アメリカ帝国主義の由来は1898年のキューバ、プエルトリコ、ハワイの支配権奪
取にたどられることが多い。しかしそうすることは帝国主義の歴史家バーナー
ド・ポーターが「塩水の欺瞞」と呼ぶ、つまり塩水を超えたときにのみ征服が帝
国主義になるという考えに屈服することになる。というわけで、ミシシッピー河
がアイルランド海に似ていたならば、西部への進出は帝国主義だったはずだ。ワ
シントンからロッジに至るまで、その冒険的事業に取り組んだ人々はもっとはっ
きりした理解を持っていた。


1898年にキューバの人道的介入に成功した後、神の摂理によって託された任務の
次のステップは、フィリピンの「救出されたすべての人々に自由と文明の恩恵」
を授与すること(ロッジの共和党の政綱の言葉)であり、その人々とは、残忍な
虐殺とそれに伴う大規模な拷問やその他の残虐行為をかろうじて生き延びた人々
であった。これらの幸運な人間たちは、新たに考えられた植民地主義的支配モデ
ルに沿って米国が設立したフィリピンの警察隊に生殺与奪の権を握られることに
なった。この警察は、洗練された監視、威嚇そして暴力形態に対して訓練され装
備された秘密警察隊に依存していた。<5> 似たようなモデルは、残忍な民兵組織
やその他の傭兵隊を米国によって押し付けられた多くの地域で採用されており、
その結果はよく知れ渡っているはずだ。


歴史家アルフレッド・マッコイによると、過去60年間、世界中の被害者たちは年
間10億ドルにも及ぶ費用で開発されたCIAの「拷問パラダイム」をも耐え忍んで
きたのであり、彼は、この方法がほとんど変わらずにアブー・グレイブで表面化
したことを示している。ジェニファー・ハーベリーが米国拷問記録の洞察鋭い調
査を「真実、拷問、アメリカ流儀」と題したことに誇張はない。ブッシュ一味の
ドブ底への転落を調査追及する人間たちが「テロリズムとの戦争を戦ってアメリ
カはその道を見失った」<6> などと嘆くのは、少なくとも非常に誤解を招く言い
方である。


ブッシュ-チェイニー-ラムズフェルドの連中は、実は重要な革新を導入したので
ある。普通、拷問は下請け組織に請け負わせ、政府が設立した拷問室で直接アメ
リカ人によって実行されることはない。最も啓発的で勇気ある拷問の調査の一つ
を行ったアラン・ネルンは「オバマ(の拷問禁止)が鳴り物入りで排除したの
は、現在アメリカ人によって行われているごく一部の拷問でしかなく、米国の後
ろ盾で外国人によって行われている制度的拷問の大量部分は残したままだ。オバ
マは拷問を行う外国軍の支援を中止することができるのに、それをしないことを
選んでいる」と指摘している。オバマは拷問を行うのを禁止したのではなく、
「単にその位置づけを変えただけだ」とネルンは見ている。典型的手法に戻した
のだ。被害者にとってはどちらにせよ大した違いはない。ベトナム戦争以来、
「米国は主に外国人に報酬を支払い、武装させ、訓練をし、指導して、自国の拷
問を代理人にやらせてきたが、普通はアメリカ人を少なくとも一歩は下がって控
えさせるように注意してきた。オバマの禁止令は「『軍事的衝突』の環境の外な
らアメリカ人による直接的拷問さえも禁止しないのであり、多くの抑圧的政権は
軍事的衝突状態にないので、実際のところそのような場所でこそほとんどの拷問
が発生するのである … オバマ政権は、フォードからクリントンへ続いたかつて
の拷問政権の状況への回帰である。この時代には、毎年、米国に支援されたもっ
と多くの苛烈な苦悶が、ブッシュ-チェイニー時代よりも多く生まれたのだった」<7>


時には拷問への関与はもっと間接的だ。南米専門家ラース・シュルツの1980年の
ある調査によると、米国の援助は「みずからの市民を拷問する南米の政府へ、…
南半球でむしろ悪名高い基本的人権侵害者たちへと不均等に流れる傾向がある」
ことが明らかになった。これには軍事援助が含まれており、必要性とは無関係
に、カーター時代を通して行われている。エドワード・ハーマンによるもっと広
範な研究で同じ相関関係が見つかっており、さらにある説明が示唆されている。
驚くことではないが、米国の援助は、事業営業にとって有利な環境と相関してお
り、これは労働運動および農民運動の組織者や人権活動家の殺害、またはその他
の同種の行動によって改善されるのが通常であり、結果として援助と言語道断な
人権侵害との間の二次的相関関係が生まれている。<8>


これらの研究は、相関関係があまりにも明白だったのでこのトピックを研究する
価値がなかったレーガン時代以前に行われたものである。そしてこの傾向は現在
まで続いている。


過去を振り返るのではなく未来を見つめろと、懲らしめの棍棒を握る側にとって
都合の良い教理で大統領が勧告するのは不思議ではない。だがそれで叩かれた側
の人間たちは違った見方で世界を見る傾向があり、我々としては具合が悪いわけだ。


CIAの「拷問パラダイム」の実施は1984年に採択された拷問等禁止条約に違反し
ていないとする議論もあり、少なくともワシントンによる解釈ではそうだ。アル
フレッド・マッコイは、高度に洗練されたCIAパラダイムは、「KGBの最も破壊的
な拷問テクニック」に基づいており、人々を植物化させて服従させるには効果が
低いと考えられている稚拙な肉体的拷問ではなく、主に精神的拷問に集中してい
ることを指摘している。レーガン政権は「条約の26枚の印刷ページの中でたった
一つの言葉に注目し、四項目の詳細な外交的『保留条項』をつけて」、国際的な
拷問禁止条約に入念な改訂を行ったとマッコイは書いている。「精神的」という
言葉である。「複雑難解に構築されたこれらの外交的保留条項は、米国が解釈す
る限り、拷問の定義を変更し、CIAが多大な労力を払って洗練してきたテクニッ
クそのものである感覚遮断や自虐的苦痛を除外することになった」。クリントン
が1994年に国連の条約の批准を求めて議会にそれを送った時、彼はレーガンの保
留事項を含め入れた。つまり、大統領および議会はCIA拷問パラダイムの中核を
拷問禁止条約の米国解釈から外した。「これらの保留条項は国連条約に法的効力
を与えるために制定された国内法で、一字一句変えることなく再現された」と、
マッコイは述べている。これは「政治的な地雷」であり、アブー・グレイブのス
キャンダルおよび2006年に超党派的支持を得て通過した恥ずべき軍事委員会法に
おいて「驚異的な威力で爆発した」。それゆえ、米政府が拷問を用いていたこと
が最初に暴露された後、憲法学教授サンフォード・レビンソンは、レーガンおよ
びクリントンが国際人権法を改訂して採用した「拷問に寛容な」拷問の定義の見
地から見ると、この拷問はおそらく正当化される可能性があると述べている。<9>


ブッシュはもちろん、国際法の自明なる違反を認可したことでは前任者を凌ぎ、
彼によるいくつかの過激な新措置は法廷によって無効とされた。オバマは、ブッ
シュと同様に国際法を遵守する我が国の揺るぎない姿勢を雄弁に表明しつつ、過
激派ブッシュの措置を実質的に回復させようとしているようだ。重要な訴訟であ
る2008年ブーメディエン対ブッシュでは、グアンタナモの囚人たちは人身保護法
(ハベアス・コルプス)の権利がないとするブッシュ政権の主張を、最高裁は憲
法違反であるとして却下した。グレン・グリーンワルドはその後の展開を追って
いる。「世界中から人々を誘拐し」正当な手続きを経ずに収監する「権力を保持
する」ことを求めて、ブッシュ政権は彼らをバグラムへ移送することに決め、
「我が国の最も基本的な憲法による保証に基づいているブーメディエン裁定をま
るでなにかふざけたゲームであるかのように扱ったのである。つまり、誘拐した
囚人たちをグアンタナモに飛ばせた場合は、彼らには憲法上の権利があるが、代
わりにバグラムに飛ばせた場合は彼らは司法的な手続なしに永遠に姿を消されて
しまうのだ」。オバマは「二句で、この問題に関する最も過激なブッシュの理論
を受け入れることを宣言する準備書面を連邦裁判所に提出して」、ブッシュの立
場を採用した。この準備書面ではタイやUAEで誘拐されたイエメン人やチュニジ
ア人たちを問題にしているが、世界のどこからであろうとバグラムに飛ばされた
囚人は、「グアンタナモでなくてバグラムに収容されている限りどのような権利
も一切なく無期限に収監される」と主張している。


3月に、ブッシュが任命した連邦裁判官は「ブッシュ/オバマの立場を却下し、
ブーメディエンの理論的解釈は、グアンタナモに適用されるのとまったく同様に
すべてバグラムにも適用されると裁定した」。オバマ政権は、この裁定に控訴す
ると発表したため、オバマの司法省は「行政権や正当な手続のない拘束の問題に
ついて、極度に保守的で行政権擁護を主張し、43代目ブッシュが任命した裁判官
よりも右側に」正々堂々と位置づけられることになり、オバマの選挙公約や早期
の立場を徹底的に裏切ることになった。<10>


ラスール対ラムズフェルドの訴訟も似たような軌跡をたどっているように見え
る。原告らは彼らがウズベク人の軍閥の長ラシード・ドストゥムによって逮捕さ
れたあと連れて行かれたグアンタナモでの拷問に対して、ラムズフェルドおよび
その他高官に責任があると告発している。ドストゥムは、当時アフガニスタンの
北部同盟を率いていた指導者の一人であった、悪名高い凶悪犯だ。北部同盟はロ
シア、イラン、インド、トルコ、そして中央アジア各国の支援を受けていた党派
で、2001年10月のアフガニスタン攻撃時に米国も支援に加わった。ドストゥムは
その後彼らを米国に引き渡した。報償金と引き換えだったと言われている。原告
はアフガニスタンには人道援助を提供するために行ったと主張している。ブッ
シュ政権はこの訴訟を却下させようとした。オバマ政権下の司法省は、拘束者た
ちが享受する権利について法廷はまだ何も確立していないので、政府高官はこの
訴訟における拷問やその他の正当な手続違反に対する責任を負わないとするブッ
シュの立場を支持する準備書面を提出した。<11>


オバマはさらにブッシュ時代に行われたもっと深刻な法規違反のひとつ、軍事委
員会を復活させようとしていると報告されている。それには理由がある。「グア
ンタナモ問題に関わっている高官は、政権の弁護士たちが、連邦裁判所での複数
のテロ容疑者の審理にあたって大きな障害に直面するのではないかと懸念を抱き
始めていると発言している。残酷な扱いを受けた拘束者たちを起訴すること、ま
た諜報機関によって収集されたうわさの証拠を検察側が使うことを裁判官たちは
困難にするかもしれない」。<12> 刑事司法制度の深刻な欠陥のようだ。


拷問が情報を引き出すために有効だったかどうかについては数多の議論があり、
その前提はどうやら、もし有効ならばそれは正当化されるだろうということらし
い。同じ議論に従えば、1986年にニカラグアがレーガンのコントラ軍への援助を
配達した飛行機を撃ち落して米国パイロット、ユージン・ハセンファスを逮捕し
たとき、彼を裁判にかけ、有罪とし、その後彼を米国に送り返すべきではなかっ
ただろうけれども、ニカラグアはそうした。そうする代わりに、彼らは CIAの拷
問パラダイムを適用して、ワシントンで計画され実行されている他のテロリスト
残虐行為について情報を引き出そうとするべきだった。世界的超大国によるテロ
リスト攻撃を受けている小さな貧しい国にとっては小さからぬ事である。またニ
カラグアは、首謀テロ工作者のジョン・ネグロポンテを逮捕することができたな
ら、間違いなく同様に対処すべきだった。ネグロポンテは、当時ホンジュラスの
大使で、後に、誰からも何も言われないまま反テロ責任者に任命された。キュー
バもケネディ兄弟に手をかけることができたのなら、同じことをするべきだった
だろう。キッシンジャー、レーガン、その他代表的なテロリスト指揮官に対し
て、被害者たちが何をすべきだったか取り上げる必要もない。彼らは、アル=
カーイダすらはるかに引き離すような手柄を誇り、その後の「時限爆弾」を予防
することができたはずの十分な情報を間違いなく持っていた。


そのような考慮すべき事柄はたくさんあるが、決して公共の話し合いの話題に
上ってこないようだ。それで私たちは価値ある情報というような弁解を即座に評
価できるのだ。


もちろん、ひとつの反応として、我々のテロリズムは、例えそれが確かにテロリ
ズムであったとしても、山の上にある町に由来するからには、無害である、とい
う意見がある。多分この論旨の最も流麗な解説は、人望の高い「左派」のスポー
クスマンであるニューリパブリック誌の編集者マイケル・キンズレーによって表
明されている。CIAによるニカラグア空域の掌握とコントラへの洗練された通信
システムの提供によって可能になっていたわけだが、ニカラグア軍を避けて「ソ
フト・ターゲット」つまり無防備の民間人ターゲットを攻撃せよ、という公式命
令を米政府のテロ部隊に出した、と国務省が認めたことに対して、アメリカズ・
ウォッチ(人権団体ヒューマンライツウォッチ)は抗議をしていた。それに応え
て、キンズレーは実際的な基準を満たすのであれば、民間人ターゲットに対する
米国テロリストの攻撃は正当化されると説明した。その基準とは、「分別ある方
針が、費用対効果分析」すなわち「流し込まれる血および苦痛の量と結果的に民
主主義<13>が生まれる可能性」の分析という「検証に耐えれば」満たされる。
「民主主義」の定義は米国エリート層が決めるのだ。彼の思考への批評は、私の
知る限り、まったくなかったし、どうやら許される内容だと判断されたらしい。
ということは、米国の指導者たちや彼らの代行者たちは、そのような分別のある
方針を誠実に行うことについて責められるべきところはないということになるよ
うだ。時には、判断を誤ることがあるかもしれないとしてもだ。


流行している倫理的規範に従うなら、ブッシュ政権の拷問はアメリカ人の命が犠
牲になっているということが発覚すれば、責められるべきところが出てくるので
あろう。特派員パトリック・コバーンによれば、「米軍がイラクのアル=カーイ
ダの長、アブー・ムスアブ・アル=ザルカーウィーを探し出すことを可能にした
情報」を引き出した、イラクで最も経験豊かな尋問官の一人、米国のマシュー・
アレクサンダー少佐(仮名)が、アメリカ人の犠牲についてまさにそう結論を出
している。アレクサンダーは残忍な尋問方法に対しては侮蔑しか示さない。彼は
「米国による拷問の使用は、有益な情報を引き出さないということばかりでな
く、あまりにも非生産的なので、9/11で殺された民間人の数と同じだけの米国兵
士の死を招いたかもしれない」と考えている。何百件もの尋問から、アレクサン
ダーは、外国の戦士たちがグアンタナモやアブー・グレイブでの虐待に対する反
発からイラクに来たこと、また彼らの国内の同盟者たちが自殺爆弾やその他のテ
ロリスト行為に走ったのも同じ理由だったことを発見した。<14>


さらに、チェイニー/ラムズフェルドの拷問がテロリストを生んだことをますま
す明らかにする証拠もある。入念に調査されたケースのひとつは、「北部同盟と
の銃撃戦に二回または三回参加していた」という罪でグアンタナモに監禁されて
いたアブドゥッラー・アル=アジュミーの場合だ。彼はロシアの侵略と戦うため
のチェチェン入りに失敗した後アフガニスタンにたどりついた。4年間にわたる
グアンタナモでの残酷な扱いの後、彼はクウェートに返された。その後彼はイラ
クへ行く術を見出し、2008年3月に爆弾を山積みしたトラックをイラク軍基地に
乗り込ませ、自身と共に13人の兵士を殺した。ワシントンポスト紙は「元グアン
タナモの収容者によって行われた単一かつ最も忌まわしい暴力」と報告してお
り、彼のワシントンの弁護士は「虐待的監禁の直接的結果である」と結論づけて
いる。<15>


分別のある人物なら予想がつく、まったくもって当たり前のことだ。


拷問に対するもう一つの標準的な弁解は、「邪悪で恐ろしい残忍さ」で実行され
た「人類に対する犯罪」とロバート・フィスクが報告した9/11の後に、ブッシュ
が宣言した「テロとの戦い」という文脈である。あの犯罪は従来の国際法を「古
風」で「時代遅れ」にしたのだと、ブッシュは、後に司法長官に任命されたアル
ベルト・ゴンザレスから法律的な助言を受けた。この教義は、評論から分析に至
る色々な形で広く繰り返されてきた。


9/11の攻撃は疑う余地なく多くの面で類のないものである。ひとつは攻撃がどこ
に向けられたかということで、普通とは逆向きである。実際、あれは 1814年に
英国がワシントンを焼き払って以来、国家の領土に対して何らかの影響を及ぼし
た最初の攻撃だった。もう一つの他に類を見ない特徴は、国家ではない行為者に
よる恐怖の規模である。しかし、おぞましい出来事であったことには違いない
が、もっと悪いことになっていたかもしれない。犯人たちがホワイトハウスに爆
弾を落として大統領を殺し、5万人から10万人にもおよぶ人々の殺戮や70万人も
の人々の拷問を実行する凶暴な軍事独裁制を確立し、暗殺を実践する巨大な国際
テロセンターを設置し、あちこちに似たような軍事独裁政治を押し付ける支援を
行い、あまりにも過激な経済理論を実践して経済が破壊されたために二、三年後
には国家が実質的にそれを引き受けなければならなくなったと想像してみたらど
うだろう。それは2001年の9/11よりずっと悪いことだろう。そしてそれは南アメ
リカが「最初の9/11」と呼んでいる出来事で、1973年に実際に起きたことなの
だ。数値は実際に犯罪の重大さを測る手段として人口規模に合わせて換えてあ
る。責任は直接ワシントンにつながっている。こうして、二つの出来事の類似性
――非常に妥当な――は意識の外に消え、事実は、単純な人間たちが歴史と呼ぶ「現
実の悪用」なのだと片付けられることになる。


また、ブッシュは「テロとの戦い」を宣言したのではなく、単にそれを宣言しな
おしたに過ぎないということも思い出すべきである。それより20年前、レーガン
政権はその外交政策の柱が、テロとの戦い、当時の熱に浮かされた弁舌の例を挙
げれば「現代の疫病」そして「我々の時代における未開状態への回帰」との戦い
である、と宣言して着任した。その頃のテロとの戦いもまた歴史の意識から抹消
されてしまったが、その理由は、その結末が簡単に教理に組み入れられないもの
だからだ。中央アメリカの破壊された国々で何十万人もが殺され、その他の場所
でもさらに多くの人たちが殺された。その中には、レーガンごひいきの同盟国、
アパルトヘイト時代の南アフリカが近隣国で支援したテロ戦争で殺された約150
万人がいた。当時南アフリカが自らを守らなければならなかった相手は、 1988
年に米政府が世界の「特に悪名高いテロリスト・グループ」と指定した中の一つ
に数えられていた、ネルソン・マンデラのアフリカ民族会議(ANC)だった。公
平に言って、20年後に米議会がANCをテロリスト組織のリストから外すことを可
決したため、マンデラは今ようやく、政府から適用免除証書を取得せずに、米国
に入国することができるようになったことを付け加えておく必要があるだろう。<16>


この支配的教義は時に「アメリカ例外主義」と呼ばれている。これは例外的なも
のではまったくない。多分帝国主義的権力の間ではほとんど普遍的なものだろ
う。フランスは、陸軍大臣がアルジェリアの「原住民の根絶」を要求していると
きに、自国の「文明化の使命」を謳いあげていた。英国の高潔さは「世界でも稀
有である」とジョン・スチュワート・ミルは宣言したが、一方で彼はこの天使の
力がインド解放の完了をこれ以上遅延させないようにと嘆願していた。人道的介
入に関するこの古典的な評論は、1857年のインドの叛乱を抑圧するために英国が
行った恐ろしい蛮行が公に明らかにされた直後に書かれたものである。インドの
残りの地域を征服することは、歴史上で群を抜いて最大規模だった英国の巨大な
麻薬密輸事業のためにアヘンの独占を獲得しようとする試みであり、主に中国に
英国の製造商品を受け入れることを強いるために考えられたことであった。


同様に、日本の軍国主義者たちが南京での強姦を実行しながら、穏便な日本の保
護のもとに「地上の楽園」を中国にもたらそうと本気で思っていたことを疑う理
由はない。歴史は似たような輝かしいエピソードで満ち溢れている。


このような「例外主義」的理念が強固に根付いている限り、時折「歴史の悪用」
の暴露が逆効果を生み出し、恐ろしい犯罪が目立たなくなってしまう。ソンミ村
の大量虐殺は、テト攻勢後の平定計画のもっと大規模な残虐さの単なる脚注でし
かないのだが、この単一の犯罪に対して憤りが集中することで、もっと膨大な残
虐さの方は無視されてしまった。ウォーターゲート事件は、疑いなく犯罪的だっ
たが、それに対する熱狂的な騒乱によって、比較にならないほどもっと悪質な国
内や国外の犯罪がかき消されることになった。悪名高いCOINTELPROによる弾圧の
一部としてFBIが組織した、黒人運動組織者フレッド・トンプソンの暗殺やカン
ボジア爆撃はその二つの言語道断な例である。拷問は十分に忌まわしいが、イラ
ク侵略はそれよりずっと悪質な犯罪だ。選択的な残虐行為にこのような働きがあ
ることは、非常に多い。


歴史的記憶喪失は危険な現象であり、それは単に倫理的および知的な誠実さを侵
蝕するからというだけではなく、将来起こる数々の犯罪のための地ならしをする
ことになるからである。


1)
http://documents.nytimes.com/report-by-the-senate-armed-services-comm....
Jonathan Landay, "Abusive tactics used to seek Iraq-al Qaida link,"
McClatchy news, April 21. Gordon Trowbridge, "Levin: Iraq link goal of
torture," Detroit News, April 22, 2009.
2) Reginald Horsman, Expansion and American Indian Policy (Michigan
State, 1967); William Earl Weeks, John Quincy Adams and American Global
Empire (Kentucky, 1992).
3) On the record of Providentialist justifications for the most shocking
crimes, and its more general role in forging "the American idea," see
Nicholas Guyatt, Providence and the Invention of the United States,
1607-1876 (Cambridge 2007).
4) Cited by Lars Schoultz, That Infernal Little Cuban Republic (North
Carolina, 2009).
5) Ibid. Alfred McCoy, Policing America's Empire (Wisconsin, 2009).
6) McCoy, A Question of Torture (Metropolitan, 2006). Also McCoy, "The
U.S. Has a History of Using Torture," http://hnn.us/articles/32497.html.
Harbury (Beacon, 2005). Jane Mayer, "The Battle for a Country's Soul,"
NY Review, Aug. 14, 2008.
7) News and Comment, Jan. 24, 2009, www.allannairn.com.
8) Schoultz, Comparative Politics, Jan. 1981. Herman, in Chomsky and
Herman, Political Economy of Human Rights I, ch. 2.1.1 (South End,
1979); Herman, Real Terror Network, 1 (South End, 1982), 26ff.
9) McCoy, "US has a history." Levinson, "Torture in Iraq & the Rule of
Law in America," Daedalus, Summer 2004.
10) Greenwald, "Obama and habeas corpus -- then and now,"
http://www.salon.com/opinion/greenwald/2009/04/11/bagram/index.html?s....


11) Daphne Eviatar, "Obama Justice Department Urges Dismissal of Another
Torture Case," Washington Independent, March 12, 2009,
http://washingtonindependent.com/33679/obama-justice-department-urges....


12) William Glaberson, "U.S. May Revive Guantanamo Military Courts,"
NYT, May 1, 2009;
http://www.nytimes.com/2009/05/02/us/politics/02gitmo.html?scp=1&sq=%....


13) Kinsley, Wall Street Journal, March 26, 1987.
14) Cockburn, "Torture? It probably killed more Americans than 9/11,"
Independent, 6 April, 2009.
15) Anonymous (Rajiv Chandrasekaran), "From Captive to Suicide Bomber,"
WP, Feb. 22, 2009.
16) Joseba Zulaika and William Douglass, Terror and Taboo (Routledge,
1996). Jesse Holland, AP, May 9, 2009. NYT.


原文:http://www.chomsky.info/articles/20090524.htm
The Torture Memos
Noam Chomsky
chomsky.info, May 24, 2009

TUP速報


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The Global Report: U.S. Arms & Trains Yemeni Forces Accused of Rights Abuses


The Global Report
The United States is about to rapidly expand its program of arming and training Yemens security forces, which have come under sharp criticism for killing innocent people. Human Rights Watch says a grave human rights crisis is unfolding in southern Yemen, where government security forces have responded to protests with brutal repression. Human Rights Watch says Yemens security forces have arbitrarily detained thousands of participants or bystanders, including children. Yemeni authorities have also attacked independent media, suspending publications, blocking websites, arresting journalists, and even shooting up the offices of the largest independent newspaper.

Rebel Reports: Stunning Statistics About the War Every American Should Know

Stunning Statistics About the War Every American Should Know

Contrary to popular belief, the US actually has 189,000 personnel on the ground in Afghanistan right now—and that number is quickly rising.

By Jeremy Scahill

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NY Times: Iraqis Angered as Blackwater Charges Are Dropped

January 1, 2010

BAGHDAD — Iraqis on Friday reacted with disbelief, anger and bitter resignation to news that criminal charges in the United States had been dismissed against Blackwater Worldwide security guards who opened fire on unarmed Iraqi civilians in 2007.
NY Times
Human Rights Watch

Contrary to Netanyahu’s claim, what needs rewriting is not the Geneva Conventions but Israel’s abusive and illegal war strategy. http://bit.ly/7kisLe

ANTIWAR.COM: The Iran bomb threat talks are unreliable

Philip Giraldi « Antiwar Radio with Scott Horton and Charles Goyette

Former CIA and DIA officer Philip Giraldi discusses evidence that documents contradicting the 2007 US National Intelligence Estimate on Iran are forgeries, the history of Rupert Murdoch-owned media passing along propaganda from Israeli and British intelligence, how bogus news stories create a deeply ingrained false narrative and distort public perception, the overwhelming Congressional support for warlike sanctions on Iran, the possibility Osama bin Laden is long-dead and how ending military occupations would almost completely eliminate terrorism.
MP3(53:05)

GAZA SHALL NOT DIE (NEW YORK protest)!

2009年12月30日水曜日

Icesave: classified doc from WikiLeaks: EU7 negotiation shows Iceland naively begging for mercy

http://file.wikileaks.org/leak/icesave-eu7.pdf



 WIKILEAKS Wed Dec 30 05:00:00 GMT 2009 (updated 9:24, with additional pages).

" The following document is one of 23 withheld from the Icelandic public relating to the Icesave dispute. The Minister of Finance issued a gag order on the documents. Even the country's parliamentarians may only see them under strict supervision.

The Icelandic parliament is due to consider the “Icesave bill” at noon today. The bill would have Iceland pay nearly four years worth of its entire economy (GDP) to investors from the UK, the Netherlands, Germany and other countries who participated in the failed Landsbanki “Icesave” scheme.

The leaked memo, from Iceland's Ministry of Foreign Affairs, details a meeting held on November 12, 2008 in Brussels, in which the Icelandic delegation, quite naively, “begged for mercy” before seven EU Representatives (Germany, UK, Netherlands, Austria, Finland, Sweden and Denmark).

The document details how EU representatives attempted to force Iceland into taking on the debt burden coming out of the EEA Agreement.

The meeting was a follow up to the Ecofin meeting of November 4, 2008. The Ministry's author is not named, but similar documents have been written by Martin Eyjólfsson.
The original memo contains typographical and other errors. As a matter of historical accuracy, these have been retained. "

Julian Assange, editor

julian@sunshinepress.org 

GOOD Transparency: Cost of Food

Honduran elections exposed

TheRealNews
12/6/2009

2009年12月29日火曜日

Life in Occupied Palestine: Eyewitness Stories and Photos by Anna Baltzer

Part 1


Part 2


Great introduction to the reality of Palestine.

Afghan women lead protest against government corruption -- latimes.com

Afghan women lead protest against government corruption -- latimes.com

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AFRICA: Drying, Drying, Disappearing… - IPS ipsnews.net

AFRICA: Drying, Drying, Disappearing… - IPS ipsnews.net

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Sunitha Krishnan fights sex slavery | Video on TED.com



Why you should listen to her:

Each year, some two million women and children, many younger than 10 years old, are bought and sold around the globe. Impassioned by the silence surrounding the sex-trafficking epidemic, Sunitha Krishnan co-founded Prajwala, or "eternal flame," a group in Hyderabad that rescues women from brothels and educates their children to prevent second-generation prostitution. Prajwala runs 17 schools throughout Hyderabad for 5,000 children and has rescued more than 2,500 women from prostitution, 1,500 of whom Krishnan personally liberated. At its Asha Niketan center, Prajwala helps young victims prepare for a self-sufficient future.

Krishnan has sparked India's anti-trafficking movement by coordinating government, corporations and NGOs. She forged NGO-corporate partnerships with companies like Amul India, Taj Group of Hotels and Heritage Hospitals to find jobs for rehabilitated women. In collaboration with UN agencies and other NGOs, she established printing and furniture shops that have rehabilitated some 300 survivors. Krishnan works closely with the government to define anti-trafficking policy, and her recommendations for rehabilitating sex victims have been passed into state legislation.

"The sense that thousands and millions of children and young people are being sexually violated and that there’s this huge silence about it around me angers me."

Sunitha Krishnan

Cartoon of Obama's troop escalation speech

Malalai Joya - Afghan MP Calls for Troops out of Afganistan



Jeffrey Barbee, for the Pulitzer Center
When I was in Copenhagen, I was watching the National Oceanic and Atmospheric Administration's (NOAA) science on a sphere at the US pavilion. I saw a video made by Alaskan researcher Katey Walter from the University of Alaska at Fairbanks. It shows methane bubbling out of a lake, and then how they returned there in the winter and lit the methane release on fire. They laugh in the video because they almost blew themselves up, but this is not a laughing matter.

The Truth About Tamiflu - The Atlantic (December 10, 2009)

The Truth About Tamiflu - The Atlantic (December 10, 2009)
Study says it's no use.

Naomi Klein, First Unitarian Church of Portland Portland, Oregon December 7th, 2007

Maddow: Big Business and the "Child Labor Endorsing, Pro-Slavery Freaks"

Gospel Of Supply Side Jesus

Conflict minerals 101